衣類の敵!「ゾンビ臭」の実態 衣類の敵!「ゾンビ臭」の実態

「ゾンビ臭」とは、衣類を洗っても
しつこく復活するニオイのこと。
ここでは、ご家庭のお洗濯を悩ませる
「ゾンビ臭」の情報を詳しくお伝えしていきます。

ざっくり言うと…

  • 洗濯してもイヤなニオイが戻るゾンビ臭には3つの種類がある
  • 「え?洗ったのにまた臭い」97%のワーママがゾンビ臭の経験あり
  • 満員電車で触れ合うシャツは、10分でニオイが伝染!?

「ゾンビ臭」とは?

ご家庭の3大ニオイ悩み

洗濯してもしつこく蘇るニオイ。それはまるで、倒したと思っても生き返ってくるゾンビのよう。
特に、室内で洗濯物を干したときに発生する「部屋干し臭」、洗濯物を干し忘れたまま放置したときに発生する「干し忘れ臭」、汗をかいたときなどに着ている衣類から発生する「戻り生乾き臭」
この3つのニオイを、洗濯しても再びニオイが復活するという特徴から、ライオンでは“ゾンビ臭”と呼んでいます。

ゾンビ臭が発生するのはなぜ?

ゾンビ臭が発生する原因は、衣類などに付着しているニオイ菌と汚れ残りにあります。
ニオイ菌には大きく分けて、「グラム陽性菌」と「グラム陰性菌」という2種類があります。
「グラム陽性菌」は主に人の皮膚由来のニオイ菌で、「グラム陰性菌」は部屋干しなどの湿った環境下で増殖しやすいニオイ菌です。
ニオイ菌が温度・湿度・菌のエサ(皮脂等の汚れ残り)などの条件がそろうことで増殖すると、ゾンビ臭が強くなります。

グラム陽性菌

皮膚由来のニオイ菌

グラム陰性菌

湿気由来のニオイ菌

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ワーママを悩ませる「ゾンビ臭」

ゾンビ臭を経験したワーママは97.9%

30~40代のフルタイムで働くママ(=ワーママ)600人を対象に行った調査から、洗濯した衣類から再びイヤなニオイを感じた経験があるワーママは、93.8%(563人)にもなることが明らかになり、「感じたことは一度もない」と答えたのはわずか6.2%でした[図1]。
さらに、イヤなニオイを感じたことがあると答えた563人のワーママに、ゾンビ臭(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭)のいずれかを感じた経験があるかを調べると、97.9%にのぼる、ほとんどのワーママがゾンビ臭を経験していることがわかりました[図2]。

図1:洗濯物のニオイを感じた経験(洗濯したにも関わらずニオイを感じた経験)と図2:ゾンビ臭を感じた経験(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭のいずれか) 図1:洗濯物のニオイを感じた経験(洗濯したにも関わらずニオイを感じた経験)と図2:ゾンビ臭を感じた経験(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭のいずれか)

さらに、洗濯物のニオイを感じたことがある563人のワーママに、ゾンビ臭(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭)それぞれの経験をたずねたところ、最も多く経験をしているのが「部屋干し臭」(95.6%)という結果になりました。また、「干し忘れ臭」(84.0%)「戻り生乾き臭」(75.8%)は4人中3人以上が経験していることがわかりました[図3]。

図3:ゾンビ臭をかいだ経験 図3:ゾンビ臭をかいだ経験

ゾンビ臭は防ぎにくい !

ゾンビ臭を放つニオイ菌は、温度・湿度・菌のエサなどの要因で増殖を繰り返すため、完全に取りきることはできません。
ゾンビ臭(部屋干し臭・干し忘れ臭・戻り生乾き臭)のいずれかを感じた経験のあるワーママたちが、どの程度それぞれのニオイを取り除きにくいと思っているかについて聞いてみました。
その結果、「部屋干し臭」(86.1%)「干し忘れ臭」(84.2%)「戻り生乾き臭」(88.1%)と、3つのゾンビ臭すべてにおいて8割以上のワーママが「取り除きにくい」(取り除きづらい+やや取り除きづらい)と感じていることがわかりました。なかでも「戻り生乾き臭」と「干し忘れ臭」は、「部屋干し臭」と比べて、明確に「取り除きづらい」と回答する人が多い結果となりました[図4]。
これらの結果から、凶悪化したゾンビ臭はワ―ママたちのお洗濯悩みを深刻にしていると言えます。

図4:ゾンビ臭の取り除きにくさ 図4:ゾンビ臭の取り除きにくさ

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検証!「ゾンビ臭」の伝染力

検証!新品タオルが1日で、
ゾンビ臭タオルに!?

ゾンビ臭がどれだけ伝染するか、当社では以下のような実験を行いました。

【実験概要】

  1. ①ゾンビ臭を放つタオルと新品のタオルを別々に水洗いをして、脱水。
  2. ②両方のタオルを同じ洗濯槽に入れ、24時間放置。
  3. ③24時間後、それぞれのタオルの臭気を測定。

〈結果〉
図の一番上は、ゾンビ臭タオルがもつ臭気を表しています。この臭気強度を見ると、試験前の新品タオルは、全くニオイはありませんでした。しかし、ゾンビ臭タオルと24時間一緒にした新品タオルには、ゾンビ臭の臭気が移っていたのです[図5]。

この結果からも、洗濯物の干し忘れは、ゾンビ臭の伝染につながることが明らかになりました。

図5:ゾンビ臭タオル*の伝染力に関する検証 図5:ゾンビ臭タオル*の伝染力に関する検証
実家庭より回収したゾンビ臭を放つタオルおよび新品タオルを別々の全自動縦型洗濯機で水のみで洗浄。
脱水後のタオルを一緒にして同じ洗濯槽の中で24時間放置後のイヤなニオイのなさを6段階臭気強度で評価。
*新品のタオルと一緒にした、ゾンビ臭タオルの臭気強度は3.0

検証!満員電車で触れ合うシャツは、
10分でニオイが伝染!?

実は満員電車の中でも、発生したニオイは移ってしまうんです。当社では、満員電車を想定したモデル実験を行いました。
下のグラフは、ゾンビ臭がする綿シャツ、混合紡糸T シャツ、そしてY シャツそれぞれを着用した人が、梅雨の蒸し暑い満員電車に通勤で乗車したシーンを再現し、ニオイのしない衣類と触れ合うことで10 分後にどの程度ニオイが伝染するかを検証した結果です。
実験の結果、いずれのゾンビ臭シャツも、ニオイがしない衣類に10 分でニオイ移りさせてしまうことがわかりました[図6]。

【実験概要】

  1. ①新品のYシャツ、綿Tシャツ、混合紡糸Tシャツを従来洗剤またはトップクリアリキッド抗菌で洗浄し24時間部屋干し着古したYシャツ、綿Tシャツ、混合紡糸Tシャツを従来洗剤またはトップクリアリキッド抗菌で洗浄し24時間部屋干し(ゾンビ発臭源衣料)
  2. ②電車に乗る前にかく汗の量の水(徒歩約15分想定)を上記衣類に噴霧
  3. ③マネキンに上記衣類を着せて、梅雨時期の満員電車内の環境想定下(気温26℃/相対湿度65%)で、ゾンビ臭がする衣類と新品衣類を接触
  4. ④新品衣類のニオイ移りを評価
図6:当社従来品によるゾンビ臭シャツとの付着による感染力の検証 図6:当社従来品によるゾンビ臭シャツとの付着による感染力の検証

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「ゾンビ臭」と調査データ

ライフスタイルや気候の変化とともに広がるゾンビ臭

ゾンビ臭が発生する一因として、現代のライフスタイルや気候の変化があげられます。

共働き増加で部屋干し派も増加、
家族が多いほどイヤなニオイに悩む

共働き世帯の増加などを背景に、洗濯物の部屋干しが増えています。当社の過去3年の調べでは、年々部屋干し派は増え、現在は約3割の人が部屋干しをしていると回答。なかでもフルタイムで働く女性のうち39%が部屋干しをしていると回答し、そのうち22%が「いつも部屋干しをしている」と回答しています[図7]。そして部屋干しする人(n=1278)の54.9%の人が「イヤなニオイがする」ことをあげ、洗濯物の量が多いと想定される、家族が多い人ほどその悩みが強いことがわかっています[図8]。

図7:部屋干しの実施状況の推移と図8:部屋干しによる
                    「イヤなニオイ」への不満をもつ割合 図7:部屋干しの実施状況の推移と図8:部屋干しによる
                    「イヤなニオイ」への不満をもつ割合

「非常に激しい雨」は、
30年で約1.4倍に増加

洗濯物を部屋干しする理由として最も多くあげられるのが、天気の悪さです[図9]。
2018年に異常気象が多かったことは記憶に新しいところですが、気象庁が発表している「大雨の長期的変化」によると、全国で非常に激しい雨(1時間降水量50mm以上)が発生している回数は増加傾向にあります。最近10年間(2008~2017年)の平均年間発生回数(約238回)は、1976~1985 年の10年間の平均年間発生回数(約174回)と比較して、約1.4倍に増加していると伝えています[図10]。

図9:洗濯物を部屋干しする理由と図10:全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化(1976~2017年) 図9:洗濯物を部屋干しする理由と図10:全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化(1976~2017年)

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